化粧品の相場と常識

ブルガリがスキンケアを作った時、あなたはどう思っただろう。どこが化粧品を作っても構わないが、他のジャンルで大成功をおさめ、一時代を築いてしまった超一流ブランドが、化粧品に手を広げると、それはそれで「なんでまた……」という声が湧き上がる。史上稀にみる激戦区であるこの市場に、ブルガリほどの“大物”が参入するとなれば、なおさらそれを受け入れる側の目は厳しい。確かにここは、オーパフメを皮切りに香りを次々大成功させてはいるが、スキンケアというと、話が違うのだ。ブルガリだってそのあたりは承知の上。「なぜスキンケアまで作らなければならなかったか?」。そこに何かの必然性がない場合は、勢いにのった大ブランドの単なる気まぐれと言われかねないのだから。でもそこには、オートクチュールブランドがブランドロゴつきのスリッパを作るのとはまったく異次元の“強い思い入れ”があった。ブルガリのジュエリーは、裏側の細工の処理に執拗なまでの注意をはらっていると言われる。もちろん、それはジュエリーをつける人の肌を絶対に傷つけないための配慮……当たり前のことのように思えるが、天下のブルガリがデザインと同じくらい裏の処理を重要視していると聞けば、やっぱり驚く。つまり、ブルガリには創設以来、女性の肌の美しさを守り抜くという哲学があったのだ。しかし、それだけではまだ弱い。観念的すぎる。さらに突っ込むと、そこから現代のスキンケアの完全なる盲点ともいうべき、肌づくりの真実みたいなものが浮かび上がってきたのである。

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